人は何故ものを書くのか
結論を急ぎすぎた。まあ、偉そうなことが言いたいのではなく、単に“みんな違ってみんないい――by金子みすず”と言いたかっただけなのだ。世界は多様性に満ちているはずのものならば、いろいろな本があった方がバラエティに富んでいいだろうと。
それにしても小説、文学と呼んでもいい、特に純文学、私小説などは読み物としてもそもそもあまり面白くはないし、読んだからといって実用書のように効果はすぐに現れない。いや、まして戦前は、商家などでは小説は不要有害の書として禁止されていたと聞く。「文学は男子一生の仕事にあらず」と名言を残した作家もいたことを思い出す。
だが、どうしてそうした本、小説の類は古来より古今東西存在し、人はそれを読んできたのか。いや、そもそも何故に人はものを書くのか。当今流行のブログでの公開日記でもいい。人は何故ものを書くのか。誰に向けて書くのか。実用的でない分だけ、小説というのはその大いなる謎の行きつく先にあるもののような気がする。