猛暑の中の仕切りなおし
東京ではまだ梅雨明けは聞かないのに一週間近く真夏日が続いている。
ともかく湿気が多く夜になっても蒸し暑い。クーラーのないこの部屋では長い時間パソコンに向かっていられない。一応扇風機は廻っているが、座っていると尻に汗をかいて作業が進まない。ちょっと動いて体が火照ってくると水風呂に漬かり全身を冷やす。その繰り返しで一日が過ぎていく。
さて、増坊宅の長年にわたる懸案の家作りの件、つまり改築の話はどうなったのか、気にかけて下さる方もいるかもしれない。正直な現況を報告すると、結局あの交通事故の発生以来それどころではなくなってしまい、5月の連休明けから部分的にでも壊していく予定がストップして、ようやく今月になってから作業を本格的に再開し始めたのだが、このところの猛暑でまた停滞を余儀なくさせられている。何しろ暑くて体力の消耗が激しく何もしないうちにすぐバテてしまうのだ。自分でもまさか今年の夏もこのボロ家で暮らすとはまったく思いもよらなんだ。心底うんざりしている。
しかし、事故の最悪の場合=死亡のときは、この家屋の土地を売って金に代えて、賠償とすることも考えていたのだから家の改築騒ぎどころではなかったのもまた事実で、明日で事故発生からちょぅど二ヶ月目だ。今日は、その女児が小学校からランドセル背負って帰ってきたところを目撃できたので、どうやら夏休み前に復学もかなったようでその予想外の回復にただただ有難い事と感謝するだけだ。一時の、命の保障はできないと言われていた時点からよくここまで戻ったものだと、まだ夢のような嬉しいが不思議な気持ちさえしている。
これまでもお知らせしたようにまさに悪夢のようなこの二ヶ月であったわけだが、とりあえず事故の件はこれでもう頭から外して、やはり自分のこと、懸案のやるべきことを進めていかなくてはならない。何よりも多くの友人知人に事故以来疎遠になり不義理をはたらいてしまっているし、結果として新しい家という場ができれば、それは自分だけでなく、皆にとっても役立つ有益な場となるはずだからまた気持ちを仕切りなおして早く夢を実現させなくてはならない。
大工のカワムラさんの方へは、今回の件で待ってもらっていたわけだが連絡をとったらば、今のところは他の仕事も入っているので、この暑い夏に大慌てで進めなくても良いとは言ってくれた。しかし、片付けや物の移動もまだ部分的に残っていることや自分でできることもまだ少しあるし、こちらで部分的にでも壊せるところは壊して、少し涼しくなってきたら、本格的解体を頼もうと考えている。いずれにせよ、振り出しに戻ったのではなく、もうゴールは目の前に見えているのだ。
ともかくもう焦ってはいない。最悪のときを過ぎて今思うことは、どんなことでも常に願い、努力し続けていけばいつかは必ず現実になる。日々できることを少しでも進めていく。ただそれだけだ。