新進の若きフォークミュージシャンたちとの出会い・前
予定を変えて、先に約束したように、昨日6/29日の夜、西荻のライブ居酒屋「のみ亭」で開催された「第1回のみ亭コンテスト」の報告をここでしなければならない。
これは、岡大介がプロデュースし界隈の若手フォークミュージシャンに呼びかけ、新人の登竜門としてのみ亭において審査員である観客を前に各自それぞれ3曲の持ち歌を披露し、優勝を競い合うというものだ。最高得点を得た者は当日のチャージ代金総額を丸儲けできるらしい。
その裏には5月の連休の吉祥寺音楽祭のときの雪辱を果たすという岡大介自身のどす黒い野望も見え隠れしているような気もするが、それはともかく、コンテスト自体は大変面白く素晴らしいものとなり大盛況であった。出演者にとっても観客にとっても大いに刺激になり狭い店内一体となって楽しいときを過ごした。そしてふと大昔に観たぐゎらん堂でのライブを思い出した。
考えてみると今から実に30年以上も昔になる。高校生の頃の話なのだ。吉祥寺東急の裏に、今はペットショップになってしまったビルの三階に伝説の音楽喫茶、武蔵野火薬庫ぐゎらん堂があった。ある世代にとってそれぞれ若き日の思い出の店というものがあって、それは新宿の風月堂だったり渋谷のブラック・ホークだったりするのだろうが、自分にとっては後にも先にもぐゎらん堂であり、そこで唾がかかるほど近くでシバや高田渡、そして友部正人を見聞きし、日本のフォークソングというものに初めて直に出会ったのであった。
もちろん、それまで中坊の頃より深夜放送であがた森魚やRC、チューリップ等を聴きファンになってはいたが、実際にアコギター1本で唄う生のフォークというものを体験したのはその店でだったし、そこから自分でもギターを弾いて唄おうと思うようになり、高校はさぼっても福生の裏通りにあったフォークビレッジというライブ喫茶に足繁く通ってマスターからギターを教わっては出来たての歌を聴いてもらったりした。
そんな私的なことはともかく、ぐゎらん堂で出会ったシバたちは当時20代の若者だったはずだ。そして今、やはりのみ亭で、自分は今の20代の若者たちの唄を目の前で再び聴いている。それに気がついたら不思議な感動に襲われてしまった。30年以上もの歳月が経っているはずなのに実際は何一つ変わっていない。若者たちの歌声は熱く素晴らしくそこにはうたがあった。ここにいるのが若き日のシバや友部であってもおかしくなかった。そう、唄はいつだってすぐそこにあったのだ。ただ自分が長い間それに耳を傾けなかっただけだったのだ。
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第一回 のみ亭 西音コンテスト 出演者 ※登場順
パクパク(ゆうき&ゆっきい)(うた、ギター、バイオリン)
宇佐美まどか(うた、バンジョー)
岡大介 (うた、ギター)
はなのうず(うた、ギター)
藤原りょうた(うた、ギター)
司会進行
熊坂るつこ(アコーディオン)
★当日の模様、優勝者は誰かなど、詳しいことはもう一回別に書き直します。
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岡大介の雪辱なるか!