楽しいライブでつい呑み過ぎて
実は増坊はヨッパライなのである。家で晩酌にちびちび呑んでる分には何の問題もないのだが、半年に一度ぐらいの間隔で弱いくせに外で大酒を呑み、結局電車はなくなるは、途中意識を失ってモノはなくすは、オマワリに捕まるは、もうさんざんの結果となり自己嫌悪に陥ってしまう。
それを機会に金輪際酒は呑まないと、固く禁酒を誓うのだが、数日は二日酔いもあって守れても少しするとまた晩酌で呑み出して、やがて友人たちと外で会う機会などあると半年に一度の大酒で大失敗を繰り返すのである。
昨日の西荻のみ亭での鰯家猫輔さんのライブ、楽しくて一緒に歌ったり騒いだりしているうちについ焼酎のロックが進んで、途中から何杯呑んだか記憶もなくなり、店が終わったあと、盟友岡大介君も駆けつけて、それからもう一件どこか居酒屋に行ったのだが、その辺りから記憶が全くない。その店では食べるどころかもう呑むことすら気持ちが悪くて、猫さんたちの話を聴きながらトイレへ行って吐いてはうつらうつらしていたのではないか。
そのあと、岡君と三鷹に出たような記憶もあるし、深夜までやってる回転寿司に入ったはずだ。でも、気がついたらもはや午前2時近くて彼は明日仕事で早いとのことなのでそこで別れたのだと思う。当然電車もなくとぼとぼと線路沿いを歩いて途中は省略するがいろいろあって朝方ともかくようやく家に帰ってこれた。足は棒のようだ。
いったん寝て昼近く起きて気がついたら愛用の一眼レフカメラがカバンに入ってなく、どこかで置き忘れたかと真っ青になったが、先ほどのみ亭から電話があって、幸い店内に忘れてあったことが判明した。まったくバカもバカ、大バカである。このところの家のストレスもあって気の会う友人たちと音楽を通して浮かれて騒いだ顛末である。人はどうして酒なんか呑むのだろうか。その答えはどこにもないが、哀れな同類はここかしこにいることは確かだ。
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平成よっぱらい研究所/二ノ宮知子著 「のだめ」で何故か大ブレイクした著者による実録酔っぱらいの生態漫画。二ノ宮所長自らの酒遍歴と酒仲間たちが巻き起こす醜態の数々はともかく笑えるし、明るくて救われる。こちらも酒で失敗したあと、ページを繰ると同類相憐れむというべきか、増坊に輪をかけた超よっぱらいのリアルな姿に何度癒されたことか。
しかし、ここに描かれているのは著者たち20代の頃の姿で、近況によると、今では田舎にこもって酒での大騒ぎの日々は過去のこととなったらしい。所長を見習わねば。増坊は50にもなってまだ酒がやめられず若いときのような醜態を時に定期的に繰り広げているのである。なんて情けないことか。