2008年 本年もよろしくお願いします。
新しい年になった。年頭にあたり、今思うことを少し書こう。
このところよく考えるのは、自分の人生はあとどのくらいあるのだろうかということだ。男の平均寿命まで無事生きられたとして約25年、もはや全体の三分の二は終わってしまった。そして、このところよく振り返っている昔のことというのが、25年前から30年ぐらい前のことで、それはそんな大昔だとは思えず、つい昨日のことのようでもあるのだから、となると、この先の25年もあっと言う間に違いない。つい明日のことだ。
だらだらしてぼんやりしているとすぐに1年なんてまさに光陰矢の如しで、正月が明けたかと思うと、春が来て、夏になり、秋風が吹き、すぐに冬となる、その繰り返しで慌しく終わってしまう。このところの1年がそうであるように残りの25年だってあたふたもたもたしているうちにすぐに時間は過ぎて死ぬときが来るだろう。
欲深い人間だからまだまだやり残したことも山積みだし、それでいて人よりも愚図で要領の悪いノロマ人間だから、おそらく、多大な煩悩を抱えたまま形になるような大したことは何も出来ずガラクタやゴミを膨大に残して、苦悶のうちに死を迎えるに違いない。まあ、それも人生であり、仕方ないかもしれない。
死ぬときにただ一つ後悔であり、反面心残りでないことは自分には子供、つまり子孫がいないことだ。結婚もせずに、連れ合いも持てなかったから当然だが、老親たちに孫の顔を見せられなかったことは申し訳なく思うものの、今のような世紀に、この地球環境のことを真剣に考えると子供なんてとても残せないとも思える。
拙ブログの読者ならおわかりの通り、地球温暖化による地球規模の環境破壊である。ようやく、自分も含めて昨年度からこの国でもこの問題が実はもう待ったなしの人類にとって最大の危機であることがしだいに認識されるようになった。もちろん20世紀の終わりの頃、この10年ぐらい前からぼんやりと地球全体がおかしくなっているのでは、という不安感は誰もがぼんやり抱いていた。近年、ついにそれが二酸化炭素増加によるものと科学的に解明されるようになって、人類が今のまま二酸化炭素を野放しで放出していると気温上昇は止まることなく、極地の氷は解けて、地球の生命全体が存亡の危機を迎えることはほぼ間近いないことがわかってきたのである。
そして、識者は、この問題はまず二酸化炭素を我々今の人類がいかに削減できるかにかかっていると説くのだが、実のところ声を大にして言わないが、それはそのまま人口問題と同義であり、日本は少子化で人口減少が予測されているものの、世界の人口全体は20世紀100年だけでもそれまでの人類の歴史を覆すほど何倍も驚異的に増えてしまい、結果、それら増えた数の人間たちが沢山の二酸化炭素を排出して、この危機を招いたというわけだ。
そして、二酸化炭素排出量を削減できたとしても今のまま人口増加が進めば、地球にはその60億以上の人間を養うだけの食料を生産することはできないわけで、いずれにせよ人類は破滅へと向かうしかない。もはや地球は超満員でキャパシティーは満杯なのである。
増坊は間もなく、生きたとしても数十年で死んでしまうから後のことは知ったことないと無責任に開き直れるが、人の親となった人は孫子の代まで果たしてこの地球は無事に存在しているのか気が気でないだろう。
ともかく我々は今本当に大変かつ大事な時代に生きている。テロとの戦いも大切ではあるが、それよりも先にまず当面は地球環境最大の危機、地球温暖化と戦わなくてはならない。そのことは国や民族よりすべてに最優先するのである。アメリカは戦争なんてしている場合じゃない。
※写真は数年前に訪れた栃木県足尾銅山です。