小さな森の落葉焚きも禁止されて
久々の弱い雨が午前中降った。天気が悪いせいか、体調もスッキリせず、気持ちまで鬱々としてきたので、遅い昼食後、3時頃から夕方まで昼寝したら、少しは立ち直った。風邪もこれ以上悪化させたくないものだ。
さて、庭の木々と落葉の話をしている。
何年か前まではこの辺り多摩地区は田舎なので、この季節は各家ごとに庭先で落葉焚き、つまり焚き火をしていた。落葉の季節でなくても廃材や紙ごみ類などは道端で燃やすのが当たり前だった。
ところが、10年ぐらい前からか、例のダイオキシン何たらの騒動やその「問題」が起こって、焚き火を燃やすとダイオキシンがどうのこうで危険だ云々と、全面的に野焼きは禁止とされてしまった。今では、すべてのゴミは各種類ごとに分別させて、燃えるゴミも有料の専用ゴミ袋に入れて回収ということになっている。落葉も含めて集められた可燃ゴミは多摩川縁の焼却場で燃やされるのだろう。
昔は冬を前にして晩秋の空に立ち上る落葉焚きの白い煙はこの季節になると多摩地方の風物詩だった。今、そんな風に焚き火をしているとすぐ通報されて、消防署が来てしまう。世の中はどんどん規制ばかりが増えてつくづく生きづらくなっていくように思える。
童謡の「垣根の垣根の曲がり角~」、落葉焚きの唄ではないが、それは子どもの頃、この季節の楽しみであったと思う。焚き火の後の灰の中にサツマイモを銀紙に包んで投げ込み、火傷しそうになりながらも焼き芋を作るのが楽しみだった。
子どもたちは身近に直火にふれて、火の暖かさとその恐ろしさを学んだ。ナイフなどの刃物だってそうだ。小さなケガをすることで慎重になり使い方を覚えていった。すべてが最初から危ないからと禁止された社会では、生と死という当たり前の営みですらリアルな現実感を失っていくのではないだろうか。