自店舗のはなし・後
いやでも毎日本に向き合うしかない。ともかく今は本の山を少しづつ崩しては、整理分類して売れる本は売れるところに出して、売れない本で捨てられない本はとりあえずまとめて段ボール箱に詰めて、それ以外の本は、「処分」していく。
今はまだ悠長に一冊一冊検索にかけたり、アマゾンや自店舗のサイトの方にちまちま出しているが、そろそろ時間は押し迫ってきているし、こんなペースではどう急いでも予定日までに全部片づくとは思えない。後が無くなってきて気持ちはじりじり焦りだしている。もっと大鉈をふるうように、一気に右から左へと動かさなくてはならない。
そしていつも思うこと、どうしてもっと早く時間のあるときに始めなかったのか、だ。尻に火がついてから慌てて大騒ぎするこの性分は死ぬまで治らない。古本屋のブログと名乗りつつも、自分は気が多いから、懐かしい音楽に関連したことや、古い建物とかハヤシヨシオクラブとか、「本業」以外の方にうつつを抜かしてばかりいた。
家の建て替えという懸案事項という一大事が押し迫ってきて、今になってようやく、本当に何をすべきだったかのか見えてきた。結局いつだって目先のことに囚われ夢中になり、肝心の「本業」が一番後回しとなっていたのだ。
これまでに何度も書いてきたことだが、本は読むことも含めて大好きだが、商売は好きではない。だけれども自分にとって今できること、とりあえず金を得る手段としてはこれしかないわけで、好き嫌いを言う以前に、改めてこの本の山に向かい合い、しっかり「商売」に取り組むしかないのだ。
やりたいこと、夢はまだいくらでもある。しかしまずは現実と向き合うことだ。今できること、まずすべきことを少しでも片づけていく。夢はその先にあるのだと思うことにした。