売れるのはゲーム攻略本ばかり
この世は願ったとしても当然思い通りになるはずのないものだから、古本屋として、こんな本が売りたい、あんな本はちょっと…といくら考えてもそれがかなうはずがない。ただ、ここのところアマゾンを通しての注文もゲーム攻略本ばかりが10冊も続いていて、さすがにうんざりしてきている。むろん買ってくれたお客様にとやかく言える筋合いではない。問題はそうした本しか売れないウチの体質にそもそも原因があるのだと思う。しかし、それにしても売れる本とはゲームに関連した本ばかりだというのは、今一番の時の人、藤原正彦氏ではないが“国家の品格”が問われるような気もするがいかがなものか。
さて、今回紹介する本はその中でも白眉というか、伝説のRPGと名高いそうである『クトゥルフの呼び声』のルールブックである。このタイトルにピンと来た貴方は、かなりの文学通だと自認しても良いだろう。その通り、これは、あのH・P・ラヴクラフトの物語を元に制作された米国産ロールプレイングゲームであり、本書はそれの解説書の翻訳版なのだ。
増坊は、旧世代、それも進取の気風に欠けているのでゲームなるものは、インベーダーゲームの頃より流れに乗り遅れて一切しないし当然全く理解できない。が、ラヴクラフトのそのホラーワールドがビジュアル化されているものならば一度でいいからちょっと覗いてみたいような気がする。
★クトゥルフの呼び声ルールブック サンディ・ピーターセン&リン・ウィルス著 中山てい子訳 1993年 ホビージャパン刊 定価3800円 当店の販売価格¥2860