本題にたどり着けない
それにしてももっとスマートに素速く手際よくやれないものかと思う。先日などは自店舗の注文の話だが、均一棚の1冊200円の本を探して、発送するまでに丸々1日かかってしまった。その本がなかなか見つからず一苦労したこともあるが、その日はそれしか売れなかったので、200円の収入を得るのに仮に6時間かかったとすると、時給にすると、33円!東南アジアの労働者だって今日もう少し稼いでいるのではないか。日本人としてこれで良いのだろうか。そんなことを考えるとウツ病になりそうなので考えないようにしているが、ダラダラ書いているのは本の発送の話だった。いつまでたっても“本題”にいけないのである。
ご存知かと思うが、アマゾンのマーケットプレイスには、「出品者の評価欄」があって、購入者は、一冊の本の購入に対し、出品者、つまりウチを勝手にコメントすることができるのだ。5つ星から星一つまで5段階評価で、もちろん5が最高。以前一度だけ1.がつけられたことがあった。
売れて送った本の状態が、その客にとって“非情に汚かった”せいで、そのときは当店の落ち度は少なく、アマゾンと掛け合い、数ヶ月に渡る交渉の末、幸いなことにその悪評価は削除してもらえたのだけれども、それ以来増坊はかなり精神的に参って神経質になってしまった。他の出品者の方の評価を見ると悪評価で圧倒的に多いのが、本が届かないとか届くのが遅れたとかの他に、やはり本の状態が悪い、書き込み、線引きがあると断っていないのに、発見した、などというのが多く、売る側が見落としたうっかりミスにお客様は代金先払いということもあるからか、非情に手厳しいのである。だからいきおい神経質になる。
先日も状態はとても良い本で、「ほぼ新品同様、極上美品です」とこちらでコメントして高値をつけた本が売れたのだけれど、いざ発送に際し、もう一度パラパラとページをめくっていたら、一カ所ペンで一行だけ書き込みがしてあるのに気がついた。ドキッとした。もしかしたら他にもあるかもと、最初から1ページづつ再度細かくページを繰っていって、ついつい読み始めてしまい、厚い本だったので気がついたら朝までかかってしまった。幸い他にはなかったので、胸をなで下ろしたけれど、お客には仕方なく、うっかり見落としていたことを詫びる手紙を書いて切手を同封して何割分か返金した。これだって時給に換算すれば、今の中国人より安いと思う。こんなことばっかだ。というわけで、本が売れると発送までかなりの時間がかかるわけだ。いつも利用しているヤマト運輸は歩けば3分もかからないところにあるのだが、増坊にはそこまでの道のりがひどく遠いことがままあるというお話。でもこれも本題ではない。