落葉騒ぎの末、庭のケヤキを切るはめに
家の事、先がまだ見えず、困惑しつつ忙しくしているところに、また新たに別な作業が入った。道に面している一番大きなケヤキの木の枝を切れとのご近所からのお達しである。
何回かブログで画像アップしたし、毎年こと書いているのでご存知かと思うが、増坊家には、銀杏がなるイチョウの高木の他に、元は防風林として植えたケヤキが何本かある。と、書くと、駆け込み亭ぼけまるさん曰く、大きなお屋敷にお住まいですねーという反応が返ってくるが、それは事実と異なり、単に広くもない庭に、びっしり昔祖父たちが植えた植栽が切らずに残っているだけの話で、それがいつしか年月と共に成長し、いまや夏など鬱蒼と木陰を作るようになってしまった。
おかげで犬たちも夏でも涼しく、野外でも暮らしていけるわけだが、問題はイチョウもケヤキも落葉樹だから、晩秋ともなると落葉の始末が大変で毎年のこと頭を悩ます。落葉が我が家の庭の中だけに落ちれば何も問題ないが、今日のように北風が強く吹く日は、東南の道路一面に、また逆の風が吹くと、北西の道路へと舞い散る。問題は我が家の庭先に落ちるならともかく、そうして隣近所の家々の前の道に散らばることで、こちらもできるだけ掃いてはかき集めてはいるのだが、近所の皆さんは早起きで、早朝ご自分の家々の前の道を掃き清めるのが日課ですから、当然我が家からの落葉も掃くハメとなる。
そしてそれが毎年のことだから、ついにキレて文句が出て非難ごうごうとなってしまった。要するに自分ちの木々の落葉を掃くならともかく、毎年他人の家から来た落ち葉の掃除をしなくてはならないかということだ。
まあ、お怒りは当然だと思うが、ご近所の皆さん、道路を掃きながら寄るとさわると大声で我が家の悪口を聞こえよがしに話している。曰く、非常識だ、何のつもりでこんな街路樹を植えておくんだろう、切ってしまえば楽なのに。他所から来た落ち葉を何で毎年掃かねばならないのか、まったく。
個人的には何も塵一つないように掃き清めなくとも、公道なのだからこの季節落葉もまた秋の風情だと考えるほうだが、皆さんにはそんな言い草が通用するわけなく、子供も成人し定年退職したヒマを持て余した老人たちだから、朝早くからせっせっと自分の家の前の道を綺麗に掃くのにご多忙ご執心なのである。
こちらも外から聞こえる我が家を非難する文句とイヤミたらたらの大合唱にさすがに耐えかねて、一番道に面して、道路に張り出しているケヤキは切ることにした。しかし、先の桜の木より幹、高さとも大きいからとてもいっぺんには切れない。もう落葉が始まっていて、何も今からとも思うのだが、ご近所の方々の積年のお怒りに対し、多少の誠意を示すために、明日は、友人と二人で木に上ってチェーンソーで、道に張り出している枝だけは全部切り落とそうと思っている。それはかなり危険な高所作業だが、ともかく何らかの対処をしないことにはご近所もキレてどう出るかわからないし、こちらもその悪口雑言についに逆切れして、事件ざたを起こしてしまうもしれない。そんなこんなでまた面倒な作業が増えた。これもまた人の世、仕方ない。
とかくこの世はすみにくい。