今回の行程を順を追って報告すると★出発した当初は森林の中、緩やかな山道を進んでいく。下山してくる疲れた客を乗せ勢子に引かれた馬とすれ違うのも富士ならではの光景。
増坊にとって4年ぶり、いや5年?ぶり3回目となる富士登山、毎年夏が来ると今年は行けたらなァと漠然と思ってはいたものの、まさか今年は現実となるとは全く予想だにしていなかった。
7月の半ばに、学生時代からの長年付き合いのある、山仲間でもある女友達から連絡があり、8月お盆過ぎにまた富士登山に行こうと思うのだけれど一緒にどうかと誘われた。実は彼女とは前回のとき、自分の運転で富士山五合目まで行き既に登頂した仲だったので異論はなかった。そのときは彼女の他にその頃ウチに同居していた二十歳の甥っ子と3人でチームを組んだのだが、そいつは今忙しくて無理なのでならば誰を誘うかという話になった。増坊の車は軽のワゴンなので、あと二人乗れるのである。車で行くなら二人も四人もガソリン代は変わらない。そうそう説明が遅れたが、我が家からならば富士山麓の河口湖出口まで中央高速を走れば一時間もかからない。高速を下りて、麓からスバルラインを車で30分ほど登ればすぐに登山スタート地点となる富士山五合目に着いてしまうのである。日本最高峰の偉大なる富士山は自分にとってごく身近な近在の山であり、今は家が建て込んで見えにくくなったが、昔は朝夕常に仰ぎ見たもっとも親しみある山であった。
しかし初登山したのは今から20数年も前、家族で登ったのが最初であり、近場であっても高尾山や奥多摩の御岳山のように気軽にふらっと登れる山ではなかった。理由はあまりに高すぎてそれなりの装備が必要だからで、行きたくても一人では危険であり、できれば何人かで講、つまりパーティーを組む必要があったからだ。
で、話を受けてまずは早速このブログの場で仲間募集の告知をしてみた。他の同行者がなく我々二人だけだったら計画は中止するつもりでいた。幸いすぐに反響があり、一人キャンセルは出たもののあっという間に面子が揃ってしまった。さらに後から遅れての希望者もいたが、4人定員なのでお断りするしかなかった。
今回のメンバーは、その女友達、彼女は中学の美術教師であるので、仮にS先生としておく、他は、最近ライブ会場などで知り合った男性二人で、自分以外の方々は互いにほぼ初対面であり、果たしてうまく気が合い仲間として無事登山成功と成るか不安も大きかった。何しろ繋がりはマスダの友人というだけで、歳も性別も悉く異なるのである。しかし今回このメンバーが実に気が合い個性がうまくかみ合い、最高に楽しく登山することが出来た。そのおかげで前回よりだいぶ歳とったはずの自分でも彼らに助けられてさほどへたばらずに登頂することが出来たのだ。
その他のメンバーは岡大介を通して半年ほど前知り合ったゴローさんという美術家と、春一番他、あちこちのライブ会場でよく見かける名物男こーちゃんで、実際の話、それまで二人とはさほど親しい関係ではなかったのである。今だってこーちゃんのお仕事も年齢もわからない。
だから計画は決定したものの、今回はそんなメンバーでうまく登山できるのか実は不安でならなかった。だがまったくの杞憂に過ぎなかった。今回は偶然にも最高最強の素晴らしく気の合うメンバーが揃ったのだった。
出発当日の朝、目覚ましをセットした5時前には起きてしまった。前夜遅くまで荷物の仕度とかやっていて午前一時を過ぎてしまったのに気が昂揚ぶっているせいかほとんど寝た気がしなかった。