初めて行ったフランス旅行のこと
今回、建物の話を書き出して、そういえば、その初めてフランスへ行った時の写真がどこかにあったのではないかと探してみたら、倉庫へとは運ばずに、埃を被った箱の中にネガと一緒に10本近くまとめて保管してあるのを偶然発見できた。
アルバムにも入れず、現像から上がったままで、ネガの袋の中に重ねてあったから、パリパリにくっついてはいたが、まったく光にも当たってなかったせいか、20年前のものにしては色褪せもなくその夏の旅行の日々がありありと蘇ってきた。
撮って現像したきりで、見直すこともなく、箱に入れてどこかにしまってすっかり忘れていたのだ。それが今回の家の改築騒動でひょんなところから出てきたのだ。
今見直すと、当時の記憶通りの写真もあるが、すっかり忘れてしまってこれはいったいどこなのかもはやわからないものもかなりある。いずれにせよ懐かしいよりももはや新鮮にさえ覚える。まさにタイムカプセルを開けたようなものだ。
その頃はもちろん、デジカメなどはなく、普通の一眼レフカメラを首から提げてあちこち気に入った建物や風景をバチバチ撮っていた。今回出てきた写真はそのときのもの全てではないようだが、機会があれば、いつかそのうち順にピックアップしてみたい。自分で言うのもおこがましいがなかなか良い写真があった。
そのあとも一昨年の12月のときまで、合計で3回か4回ほど訪れているが、やはりこの第一回目のフランス旅行が一番印象深く今も記憶に強く残っている。ちょうど季節も良く、初夏のフランスは花々が咲き乱れ、木々に果物は実りすべてが美しかった。フラン時代だったから物価も安く、見るもの聞くものすべてが目新しく、人々は親切で生涯最良の一月だったと思える。それ以降、行くのはいつも冬場のオフシーズンで暗く陰鬱な西欧の冬の思い出しかない。
このときは、行きも帰りもPIA=パキスタン・エアラインで、カラチやイスラマバード経由でヨーロッパにたどり着いた。そんなでパキスタンは増坊にとって初めて降り立った外国で、いろんな意味で印象深い。だから今回のブット元首相暗殺には心を痛めている。
★これは、仏人の友達の親父さんが持っていた山上の別荘の裏側。木をふんだんに使い、天気の良い朝はベランダのバルコニーで朝食をとった。