来年のクリスマスこそは恋人と盛大に(笑)
今日は25日、クリスマスである。所要で夕方吉祥寺に出て、パルコの本屋に寄って、来年の手帳とか買ってきた。今日までならば、パルコカードなら5%オフになるからだ。このところ毎年、年末の恒例となっている。
で、クリスマスに浮かれる吉祥寺の街を歩いてきたのだが、パルコの1Fのジュエリー売り場では、恋人たちが群がって、男性が女性に指輪などをプレゼントしていた。幸せそうに騒ぐ恋人たちを横目にこれもまた世相だと思った。何にせよ、今日は25日でもあり、年の瀬の街はさらに人の出が多かった。
他の用事を済ませて、家に帰ってきて、親父はもう寝るところで、犬の散歩を終えてから婆さんも寝かせて、一人で焼酎のお湯割りで暖をとり、台所の残り物をつまんで晩飯にした。
増坊はクリスチャンではないが、親父は半分アメリカ人だったので、数年前まではクリスマスには必ず鶏を焼いて、ケーキを準備し、それなりに家族で、犬猫を交え時に友人も招いてささやかながらも家でクリスマスを祝っていた。
それが、昨年はオーブン機能付きレンジが壊れて鶏が焼けず、おまけに親たちはノロウィルスで倒れて寝込んで、クリスマスは中止同然となり、今年は今年で家の改築を控えごたごたしていて、もはやクリスマスどころではなく、はなからもう一切何もしないことにした。
一人ぼっちのクリスマスである。
荒井由実のうたではないが、この季節が一番好きで、本当は心待ちにしていた。別に恋人と二人でオシャレなレストランを予約して過ごそうなどとは思わないが、できれば心静かに今年を振り返り、家族で鶏やケーキを囲んで楽しくのんびりしんみりと過ごしたかった。だが、それはもうかなわない。
ともかく、すべては快適な新しい家が建ってからだ。もし、来年のクリスマス、家が無事完成していたら、世界中の淋しい人たちを招いて、ジョン・レノンを偲びながら七面鳥を焼いて盛大にクリスマスパーティーを行おうと今は考えてこのやるせなさを紛らわしている。それがかなうよう応援してください。
ここは本のブログでもあるので、クリスマスに相応しい本を一冊紹介しておく。
英国の童話で、「
ゆびんやのくまさん/作絵 フィービとセルビ・ウォージントン・福音館書店刊」だ。
物語は、郵便局で働いている一人暮らしのくまさんのクリスマスイブの日を、起きてから寝るまで郵便の仕事を中心にただたんたんと描いている。
ストーリーらしいストーリーはなく、どこから見ても縫いぐるみの熊でしかない彼が、人間に混じって郵便を回収し、仕分けし、配達まで行っている。その働く姿を描いただけの物語なのだが、一言もしゃべらず真面目にもくもく働く彼の姿にページをめくるうちに胸が痛くなって目頭が熱くなる。
このシリーズは、他にもパン屋や植木屋などで働いているくまさんがいて、おバカな書評では、このくまさんは人材派遣会社に登録してあちこち派遣されているのではないかという指摘があったが、それではあまりに夢がなさすぎよう。
英国式、勤労の美徳と仕事の内実ををくまさんを通して描いた古典的心温まる名作童話である。もし、3歳から小学校低学年のお子さんがいる家庭では、来年のクリスマスにはぜひこの本をプレゼントしてあげてください。