今年も最終日は雨にたたられて
さて、今年の春一番も最終日四日目となった。前日夜半からしょぼしょぼ降り出した雨は、朝になってもやまずに、参加者の願いも虚しく結局、強弱はあったものの、昨年と同じく最後の一日だけは、終日雨となってしまった。
画像でもおわかりの通り、ここ服部緑地野外音楽堂は、名前の通り、屋根のない会場だ。かろうじてステージ部分には覆いがあるものの、客席にはいっさい屋根はなく、観客はカッパや傘持参で雨に打たれながらステージを見なければならない。この連休最終日、晴れたならばおそらく後方の芝生席で、お花見気分のごとくステージの音楽をBGMにのんびり友人や家族連れで楽しく集う予定を立てていた人も多かったに違いないが、冷たい雨が降ってはそれは不可能、客足も鈍るのも道理。最終日は残念なことに最低の客の入りとなってしまった。
それでも熱心なファンは雨の中かけつけて、雨による冷え込みを吹き飛ばすような熱い演奏がこの日も繰り広げられた。そして後から気がつくと、実は四日間の中で一番豪華な顔ぶれが揃った最終日であった。
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豊田勇造&YUZOBAND
この日、特別に場を設けられたのは、
ハンバートハンバートで、彼らの持ち時間に、
いとうたかお、
友部正人、
中川五郎、
加川良、
金森幸介ら、超豪華なミュージシャンがスペシャルゲストとして次々と登場し、それぞれ1曲づつ唄い共演した。増坊がハンバートを知ったのは、小金井公会堂での高田渡の追悼コンサートが最初で、おそらく春一関連のつながりで登場したのだろうが、ボーカルの佐野女史と、ギターの佐藤男子はあまりに子供子供していて、そのときの第一印象は、極めて素人っぼくこんなんで果たしてプロとしてやっていけるのか、と心配になり、逆に記憶に残ったほどだった。ところが、一年かそこらで昨年の春一で観たときは、その初々しさはすっかり消え失せ、特にギター、バイオリンの佐藤は、どっしりと落ち着きを見せ、別人かと思うほどその成長に大いに驚かされた。聞けば、風太が彼らを徹底的に鍛えて、いつどこでもすぐに瞬時に対応できるよう、いろんな場で彼らをみっちり使ってきたらしい。そして、今年の春一では、彼らは若手ながら長い持ち場を与えられ、その中で、かつての春一を支えた人たちが沢山登場してくるということは、言わば次代の春一を支える後継者としてお墨付きを得たということに他ならず、感慨深くその場に立ち会った。彼らもその期待に十分応えてたと思う。特に佐藤良成は、達者なマルチプレイヤーで、おそらく佐久間順平のようにこれからの春一を引っ張っていく貴重な人材だし、こうして若手に確実にバトンを手渡していかない限り、過去のスターは渡のようにやがては死んでしまうのが必然だからそこに明日はない。そうした観点から、新旧移り変わりの場としても今年の春一番最終日は特に意味があったと思えた。
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ハンバートハンバート。基本は、ボーカルの佐野遊穂(左)とギター、バイオリンの佐藤良成(右)の男女二人組。