アチャコさんと洪栄龍 二日目も朝からよく晴れた。
開場と共にすでにステージでは音楽が演奏されているのが、例年の春一の特徴だが、今年からはあくまでもそれはBGMと考えて、一応並んでいた観客がほとんど席に着いてから、きちんとオープニングアクトが始まるようにしたようで、この日の正式なトップバターは、
アチャコさんたちだった。
増坊が昨年、復活春一番を久々に観て、一番衝撃を受けたのは、彼、藤木アチャマゴ率いる、「
アチャコ一座」で、その摩訶不思議なお笑いをペースにしたメッセージソングに、腹を抱えて笑い心から共感した。そして、早速演奏後の彼と話したのだが、今年もまた挨拶し、帰りの地下鉄も一緒に帰って、いろいろお話を聞くことができ親しくしてもらった。祖父譲りのぼやき漫談的話芸と、鋭い社会風刺というメッセージを一緒くたにした彼のサウンドは、何でもありの春一の中でも最も異彩を放っていたし、音楽の可能性を考えたとき、実に斬新かつ意欲的だと思える。今年の春一に来てしまったのも実はまた彼に会いたかったからというのが大きい。
そして、この日のスペシャルゲストというべき懐かしい人は、洪栄龍。昔、日本のロック創世期に、はっぴいえんどと並ぶ乱魔堂という伝説的ロックバンドの中心メンバーだった人で、先の高田渡の追悼ライブで初めてその風貌を垣間見たのだが、今回、在日?の激しいメッセージソングを叫び歌う朴保のサポートに、そのギタープレイをじっくり披露してくれ大いに堪能することができた。噂どおりのすごいギタリストは健在だった。
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洪栄龍(中)朴保(右)