本の管理法善し悪し・失敗例
さて、現在のところウチでサイトに出品している本の数は約1500冊だとしての話、どんなふうに管理しているのか。
今は、新館の方の一階二階に分散して、ほぼ4つの大小の本棚に、ある程度ジャンル分けして収めている。それでも注文の度に、探し出すのにかなり苦労することは先にも述べた。そして、不思議なことにみつからないことも何故だかあるのだ。その理由は後ほど。
それに「ほぼ」と言うのは、一部、展覧会の画集の類は大きくて棚に入らず平積みになっているのと、段ボール箱に入ったままの自店舗用の本もあるからだ。それにしても本の管理とはどうあるべきなのだろうか。
同業の友人からのアドバイスだと、出品した時期ごとに箱に記して順にしまっていけば、注文があっても、どの箱に入っているかすぐにわかるのだと言う。これは期せずして「超」整理法の発案者・野口 悠紀雄先生の時間軸を重視した整理法と同じで、要するに本は分類せずにサイトに出した順ごとに箱に入れて、それを注文があった本のタグと照らし合わせば良いという考え方だ。
実は、増坊もアマゾンで大量に出品し出す前、自店のサイトで細々と売っていたときはそうして箱に入れていた。日本文学とか、翻訳物とか、美術書、ノンフィクションなどといくつかに分けて、それぞれミカン箱などに入れて積み重ねていた。しかし、これは大きな失敗だった。
まず、本というものは、平積みならば、かなりの圧力がかかっても本は傷まないが、縦とか横、つまり一番面積の大きい部分以外の面に力がかかるとすぐに撓んだり折れてしまうということだ。詳しく説明すると、箱に入れた場合、平積みにしてしまうと一番上の本しか目に入らない。だから、背を上にして、つまり本棚を寝かしたようにして本のタイトルが一目瞭然のように箱に並べて詰めていた。また、本のサイズにピッタリの箱などないから、空いた隙間には、本を立てて、要するに「天」を上にして詰め込んでいた。
この状態で圧をかける。つまり本の入った箱を積み重ねるとどうなるか。下の方の箱に入った本で背を上にしてたものは、しだいに重さで、ぐにゃりと歪むというか、丸めたように撓んでくるし、縦に押し込んでいた本は、力がかかった背の上部が折れたり曲がったりで、結局どれも売り物にならなくなってしまったのだ。
この経験から学んだこと。本はきちんと立てて棚に収めるか、それが出来ない場合は、均一に圧がかかるよう平積みにしておくしかないということだった。