米軍ハウスとは
7月に入りました。今年も残り半分、あと六ヶ月。ようやく疲れも癒えてきたので精力的に商売と音楽に取り組んで、さらにはそれに今ならまだあるが、やがて近日なくなってしまうものをこの場でも取り上げていきたい。
ハウス、聞いて何かあるイメージが浮かぶ世代、もしくはそうした地域に住んでいた人は今ではごく僅かかもしれない。ハウスとはもちろん、通称「米軍ハウス」のことで、在日アメリカ軍人のために建てられた住宅のことだ。これからどのくらい連続するかわからないが、何回かにわたって、その米軍ハウスについて書いていきたい。
増坊は、米軍横田基地に隣接した町に住んでいる。かつては、立川基地もすぐ近くにあり、二つの米軍基地に挟まれ、今も飛行機の通過進路のほぼ真下に暮らして、四十年以上経つ。米軍ハウスとはそんな基地周辺の町に点在する元々は軍人家族に向けた住宅なのである。最初は彼らのために建てられたものだが、やがてベトナム戦争の終結による人員縮小や軍の諸事情により、空き家となって民間に貸しだされたり土地と共に販売された。今も増坊の家の近所にハウスはまだいくつか残っている一画があるが、築40年以上が過ぎ、元来安普請からくる老朽化ととマンションなどへの建て替えの“再開発”で、もはや風前の灯火というのが現況だ。
そんな米軍ハウス、一個人では保存は出来ないが、ともかくまずはこの場を借りて記録し、世の人々の記憶に留めていきたいと思う。
★近日、間もなく取り壊される予定の、ヨーカー堂近くの三棟の一つ。後ろに建設中の巨大マンションの駐車場となります。