商売とはいかさまの才である
ライブドアの事件で世の中が大騒ぎしているからではなく、このところ「商売」とはどういうものなのか考えている。
人がこの世で生きていくのにはともかく金が必要で、その金を得る方法は様々だ。一番多いのは、勤めか自営かはともかく、知的か肉体かも含めて労働などで自らの時間を売って、給与を得る仕事で、その他には家賃収入や配当金、年金などで働かなくとも金が入ってくる人もいるかもしれないが、世の多くの人は仕事して金を得ている。そしてその仕事の中身だが、議員や公務員などを除けばこれまた多くは経済活動、つまり商行為に関係している。どんな会社でもあらゆる仕事でも何かを生産したり売買したりサービスを提供したりして金を得ている。つまりは商売である。そして、その商売には、肉体や労働時間などを提供する商売と、実際のモノが介在し、それを売買する商売がある。増坊が今考える商売とは、後の方のことであり、古本を売るのも一つの商売なのは言うまでもない。
商売とはいかさまである、とは故山本夏彦翁が生前繰り返し説いた卓見であるが、確かに商売の才、金儲けの才とは限りなく詐欺やペテンに近いように思われるのは、今回のホリエモンの逮捕劇を見るまでもなく、商売に少しでも関係した人なら薄々と感じていることであろう。表だっては口に出せないが、ライブドアに限らず多くの企業が、似たような粉飾やインチキ、数字の操作を影ではやっていて、ただ、あれほど大がかりに派手にやらないからばれないだけの話で、ホリエモンは今回たまたま運が悪かっただけだと内心同情している人も多いと思う。増坊だって100円やあるいはタダで入手した本を高値をつけて売って、時に何千円も儲けたときなど、内心嬉しくもあるがちょっと詐欺みたいだなと思うときがある。これはライブドアのしたこととはまったく次元の違う話だが。