05年冬のバリ旅行・4 さて、いよいよ古本屋の話をする前に、フランスの本屋について少し。
日本では本屋というと、新刊を扱う新本屋と古書を扱う古本屋の二種類しかないが、フランスの場合は、三つに分けられる。新聞や雑誌だけを主に扱う店と、書籍、単行本だけを扱う本屋、そして古本屋だ。日本のように雑誌から単行本まで幅広く、ともかく今出ている書籍の類はもれなく扱うという店は今回あちこち回ったがついぞお目にかかれなかった。これは一つに店の規模が日本に比べると小さく、それだけのスペースがない事情も大きいが、雑誌や新聞を扱う店はついでに文具や地図類なども扱い、即時性、利便性で売っているのに対し、本当の本屋というのもおかしいが、書店というものはどっしりと構えて時局に動じず小商いでない商売に徹しているように思えた。
そしてこの他に、所謂キヨスクがメトロなど駅の出口には必ずある。そこでは日本と同じく菓子類や小間物なども売っているが、基本は新聞や雑誌類のスタンドで、先の新聞、雑誌を扱う店は、このキヨスクが店舗化したものと考えてよい。
そして古本屋となるわけだが、古本屋でない新刊書店でも扱っている本の値段は日本のようにどこでも一律一定ではない。これは調べたわけでもまだ仏人に確認したわけでもないので推測だが、フランスには日本のような再販制度はないのではと思う。店ごとにプロモという「特売」商品は大幅に値引いて平積みにしてあることも多いし、ある店がプロモとして売っていた本は15ユーロだったが違う店では30近いこともあった。それらを見ると感覚としては限りなくゾッキ本に近い気がする。たくさん入荷した本は安くして叩き売るようだ。だが、そもそも再販制度がないならばゾッキ本なるものもないわけなのだが。
画像は、ホテル近くの古本屋だが、そうしたゾッキ本的美本も並んでいて本屋と古本屋の境目もやや曖昧な感じがする。しかし古本屋かどうかは、看板に必ず「古本売買」とフランス語で書いてあるので識別できる。