もっと前向きに、発展的に
何か急にバカらしくなった。このところ何回かに渡ってアマゾンのマーケットプレイスにおいて極めてセコい、1円単位で本を売って、送料でいくら儲けを出すかと、儲かったとしても数十円~百円の世界の話ばかり書いていて、つくづく虚しくなった。これではまるでつげ義春のマンガの世界である。こういうことを話題にすることでさえ、商売の発展を考えるとマイナスというか、すごく後ろ向きではないだろうか。どうせ考えるのならもっとでかく、どうしたら大きく展開できるかとか、大きな儲けを出す方法について頭を使うべきではないか。ちまちまと重箱の隅を突っつくようなことばかり書いてきて、いいかげんいやになってきた。だから今回でこのテーマは終わりとするが、では、どうやって売れない不良在庫本を処分していくかという「本題」は後日、日を改めて考えることにしたい。
しかし、実際に、アマゾンでは1円で本を出品し、支払われる配送料の中から僅かな利益を出している業者もいるのは厳然たる事実であって、最大でも100円しか儲けはでないのに、そんなバカなことをやっている人たちに増坊は心から感服する。俗に商売、つまり商いは“あきない”でやれ、と言う。商いは“飽きない”ことと同じでそれが大切だと。つまり日々こうした小銭の積み重ねの先に大きな商いがあるのだそうだ。塵も積もれば…の格言通り、いくら在庫処分ためと、月に50冊以上売らなくては元手がとれない大口出品者の宿命だとしても、数円、数十円の利益のために、テマや労力が取られることはまっぴらゴメンというのが正直な気持ちだ。おそらく、やってるところは実際のその梱包、発送作業はバイトにやらせているのだろうけれど。
今回のことで、ふと考えたことだが、アマゾンで本を売っていくのもそろそろ潮時かもしれない。ここを利用する価値は今でもあるとは思うが、いろんな意味で虚しすぎる。本当に処分したい本は最低価格がネックになってまず売れないし、売れていく本は、引かれるマージンが高すぎて実質、損している感じが強い。そして実は最も損しているのは購入者なのではないだろうか。むろん、先のベストセラーや話題の本を限りなく送料に近い額で手に入れた人は別として。やはり、どんなことでも間に仲介業者などを通さずに、売り手と買い手が直接結びつく、お互いに搾取されない直売、つまり自店舗売りが一番正しいと当たり前のことに今はからずも思い至った。