夏だ!海だ! 東京に住む者が夏海へ、海水浴に行くというと行き先は、千葉方面、房総半島の海か、近場では神奈川県湘南の海か、静岡県伊豆半島に限られる。都内に住み、昔で言う墨東辺りの人ならば、千葉や茨城へ出るのはそれほど難しくはないだろう。しかし、増坊のように、都民といっても名ばかりの都下三多摩の奥深い山沿いに暮らす者にとっては、都心に出るのでさえクルマで一時間はかかるので、千葉方面はひどく遠く感じる。まあ、今は道も良いので、昨年の冬、銚子方面に出かけたときは意外に近くなったとは思ったが。
ともかくいきおい一番近い海というと伊豆方面をすぐ連想する増坊は、日頃のストレス解消に急遽思い立って伊豆といっても一番東京よりの古来から知られる温泉地熱海へ行くことにした。
行き方として従来は、厚木方面に出て小田原厚木道路で行くのが一番簡単で早いのだが、ともかく厚木市内がやたらと混む。行きも帰りも同じ道というのもツライので、このところ新たに別ルートを編みだした。それが、富士山のすそ野を回って箱根越えして伊豆半島の稜線を走り半島東側の海へと降りるコースで、まず八王子インターから中央高速道へ入るのだ。
朝早く出ようとしたが、出かけにもたもたするのは毎度のことで結局7時半頃になり、富士吉田から東富士五湖道路に入る。天気はまあまあなのに、富士は全体が雲に覆われて全然姿を見せなかった。そして、御殿場に出て向かいに見える天下の剣、箱根をクルマで登っていく。箱根スカイラインから芦ノ湖スカイラインと、ときに雲ともつかぬ霧の中オンボロ車は満杯の人と犬を乗せて必死に走る。芦ノ湖は眼下にキレイに見えたが、やはり富士は雲の中。そして箱根峠から十国峠、そして伊豆スカイラインと半島の稜線を走り続け、今回は亀石峠から宇佐見漁港に出て伊東まで走った。途中一時間ほど休んだが、昼ちょうどには伊東に着いた。およそ3時間半。軽にしては山道をがんばったと思う。