夢をかなえるためには…
果たしてこれらを“実用書”と呼ぶべきか迷うところだが、この世には自己啓発本、能力開発本の類が実にたくさんある。その中でも、カーネーギーとか、ナポレオン・ヒル、そしてマーフィーというガイジンの名前をどこかで目にしたことがあると思う。これらの人名を頭に付けて、例えば、『マーフィーの成功法則』とか、『マーフィーの~』という本がやたら古本屋には溜まってきてしまう。個人的にウチでは、これらをひとからげに、マーフィー本と呼んでいるが、そもそもいったいマーフィーとは何者なのか。
簡単にわかることだけまとめると、その人、ジョセフ・マーフィー博士は元々は、カリフォルニア州ロサンゼルス市の新興教会の牧師だったそうで、彼のする講演が話題となり人が集まり、ラジオなどでも人気が出て、講演者、教育者、著作者として世界を回り、多くの著作を出しそのどれもがベストセラーとなっていることだ。1981年に亡くなったそうだが、今日でも彼の遺した著作と、彼の“思想”を受け継いだ者たちにより、“マーフィーの~”という本が数々出版されて当店の倉庫に、そうしたマーフィー本が何十冊も溜まってきているというわけである。
今でもたくさん彼の名を冠した本が出ていると言うことは、それなりに売れ続け多くの人々に読まれているということだ。では、そのマーフィー博士の思想とは、彼はどのようなことを説いているのだろうか。実際に一冊でもマーフィー本を手にして貰えばわかることだが、これもごく簡単に要約すると、博士が述べるところ、人は成功法則、もしくは黄金律に従えば願いがかなうのである。これをマーフィー博士の偉大な成功法則と呼ぶ。貴方の人生は貴方の思い通りのものになる。それには寝ている間に潜在意識に働きかければ良いと。つまり、人は願えば夢はかなうのだ。
ポジティヴ・シンキングと呼ぶにはあまりに脳天気だと思われるかもしれない。博士のことを詐欺師呼ばわりする人や批判者も多い。また、彼の法則は、自己啓発セミナーでも悪用というか、うまく利用されているようだ。是非はともかく、博士の説くように、人は願えば、潜在意識に強く働きかければ、思いは現実となるのだろうか。そんなバカな、胡散臭いことを信じる人がいるのだろうか。
増坊の考えを言おう。商売としてマーフィー本を批判できる立場でないからではなく、博士の法則は、全面的に支持は出来ないもののある程度は正しいのではないかと今は思っている。その理由を話すべきだろう。