初日9/19日のこと
土曜日だが、実質的に、シルバーウィークなる秋の大型連休の初日である。
カラッと晴れた行楽日和、ETC車は上限千円の日でもあり高速道路はどこもかなりの渋滞が予測されていた。増坊たちはこの日、三重県津市河芸の海岸にある漁師小屋を改造したライブハウス「ええかげん」を目指して東京を発った。そこでこの土日に中京圏のフォークミュージシャンが一堂に会するライブイベント「ええかげん祭り」があるのだ。去年もふらっと一人で行ったのだが、今年は友人千葉のこうちゃんとマイカーでの参加である。
筆者増坊はこのところ、2006年から例年、多い年は年に何回も関西方面、京都大阪に出かけているのだが、いつも深夜の格安夜行バスを利用し、新幹線も含めて昼間の移動はしたことがなかった。それが今回、あろうことか自分の車で、自ら運転し三重県津市まで行くこととなった。実は車を持っていても、普段は親父を病院に連れていったり、古本の運搬や、犬乗せて近くの河原に行く程度でしか運転したことがなく、関西方面どころか西は伊豆ぐらいまでしか行ったことがなかった。それが、名古屋の先、伊勢神宮の手前まで行くのである。初めてのおつかいならぬ、50過ぎて初めての遠出運転なのだ。自分としては大冒険の範疇だ。不安は強いが幸い今回は心強い相棒として、春友こうちゃんが富士登山に続いて同行してくれることになり、彼は何でも世知に長け、関西の地理にも詳しく運転も達者なので二人で交互にハンドルを握って行くこととなったのだ。
出発前夜は、探し物などしてて遅くなり寝たのが1時半を過ぎていた。4時半頃目覚ましで起きて、仕度する時間もなかったので、持っていくものを手当たり次第車の中に投げ込んで大慌てで出た。こうちゃんとは午前6時に立川駅南口で合う約束していたが、毎度のこと15分ぐらい遅れてしまった。彼は千葉から始発で来てくれたのに。
どういうルートで西に向かうか決めてはいなかったが、彼が携帯で調べたところ、東名高速は三島辺りで早くもかなり渋滞しているとのことで、中央道で行くこととにした。6時40分ごろ、八王子ICに入ったら既にびっしりと車の列が出来ていて、先が危ぶまれたが、幸い走り出すと渋滞気味でもスムーズに動き出して、2時間後には八ヶ岳PAで一回目の休憩し朝食をとり、以後こうちゃんの運転で、恵那峡PAで11時、名古屋には昼頃着いて、バカ話しながらもほぼ順調で快適に走れた。
が、名古屋ICから東名阪道に入った頃、出かけに満タンにしてきたガソリンがカラになってきて、どこにもスタンドのあるPAがなくて仕方なくいったん蟹江ICで降りて、ガソリンを入れて再度東名阪道に入った。そこまでは気持ちよく飛ばすことができたが、四日市で伊勢湾岸道と合流してからはかなりの渋滞で、しかも事故もあったらしくノロノロ運転となってしまった。聞くところによると名古屋から来たいとうたかおさんたちも通常なら一時間ぐらいで着くのに4時間もかかったという。
安濃SAで休憩し地図を確認して、津インターで高速を降りて、津市街を抜けて国道23号線を走る。河芸の、去年の夏来た時利用したスーパーで持ち込む食料や缶ビールを買い込み、ようやくライブ小屋ええかげんに到着したのは4時近くで既に陽射しは傾き始めていた。休憩時間も含めて約10時間弱の旅であった。何度かゆっくり休憩をとりつつ主にこうちゃんがハンドル握ったので、自分はさほど疲れなかったし睡眠不足気味だが居眠りはしなかった。だがともかくついにここまで自走で来たのだ。ようやく着いてほっとした。
着いたときはちょうど休憩と時間調整中で、建物の裏手の海へと降りてみた。海風が心地良く浜には馬鹿貝が生きたまま沢山打ち上げられていた。